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自分の醜いところ


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今日もすこしずつ夜が明けていく音がする。

 

 

 

仕事をやめて海外に行って

自分の部屋で眠れない夜をひさびさに過ごして、

朝が始まる新聞配達のバイクの音や

鳥のさえずる声と空を飛ぶ翼の音が

なんとなくなつかしくていやだった。

 

 

 

 

 

 

もう何年も前今以上に

朝が来ることがいやだったときがあって

毎日を泣いて過ごしたときがほんの少しあった。

 

 

 

それは幼稚園に入る前からの付き合いのともだちだった人と

その周りの人何人かとのけんかだったのだけれど

10年近く経つのに家も隣同士なのに

わたしはその子たちと一切口をきいてない。

 

 

 

 

 

 

 

それは今となってはわたしの成長にとって

良かったのだと思えるのだけれど、

その当時はひどく傷ついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから公園に行って

その子たちとのプリクラを燃やしたり

貰った手紙やプレゼントも全部燃やした。

 

 

10年と少しの間、1番の親友で

一緒に成長してきた大切なともだちだったから

たくさん燃やすものがあった。

 

 

 

 

 

 

それから少し経って高校に進学して

わたしは頭がよくも悪くもないそこそこの高校に進学して

その子たちは県で1番頭の悪くて素行の悪い生徒が集まる高校に進学した。

 

 

 

 

 

そしてねわたしはこう思ったの。

 

あの子たちはみんなぶすで頭が悪かったから

ゆくゆくはこうなっていただろうし、

あのまま付き合っていたら

自分にとってなんのメリットもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校を卒業して大学に進学して何年か経ったとき、

わたしの家の隣の幼なじみで

親友だった子の父親が経営していた会社が倒産した。

 

 

わたしはざまあみろって心の底から思った。

 

もう50は過ぎてるし自分の会社しか経営したことないのに

これからの仕事大変だねえって。

 

 

今もわたしはあのときわたしにあんなこと

してきたのが返ってきたんだよって思ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今も彼らは隣の家で

なるべく物音立てない様に生きている。

 

そのことがわたしを優位な気持ちにさせる。

 

 

 

 

 

 

 

けれどこうやって夜が明けていく音は

わたしのひどく醜いところが

自分で見えてしまうのできらいだ。

 

 

今まで誰にも言わずに10年とすこし隠してきて

何度も心の中で繰り返してきた「ざまあみろ」の

醜い気持ちをこうやって文章にしてみたら、

なにか変わってしまうだろうか。


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