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すきなひとのこと


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やさしいけれど厳しくて
けれどだれにでも平等で
ひととの距離をつくらないひとだった。

だから、だれからも尊敬されるひとだった。




笑った顔も声も
笑うときに腕で顔を覆うところもすきだった。







困ったときに何度も救われたし
その度何度も好きになった。



きゅんとすることもされたし
本当によくわからないひとだった。








何度も何度もすきなのやめようって思うのに
毎日会うからやめられなかった。










後ろ姿をずっと見つめることも
横顔を見つめることも好きだったし



いつも斜めに座る椅子の向きを直すのも好きだった。




夏のラベンダー色のシャツも
冬のスーツも素敵でかっこよかった。






けれどね、すきなひとは大人だから
わたしには覆いきれないものばかりを持っていた。


わたしはなにもできなかったし
なにもすべきじゃなかった。


最後まで距離は縮まらなかった。






次はちゃんと等身大の恋愛をしよう。
しあわせになれる恋愛をするんだ。




なんとなく意味はないんだけれど
すきなひとのことを書き残してみる。


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