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同じ道を歩く


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わたしが昔憧れていたひとは
写真と映画がすきなひとだった。






そのひとみたいになりたくて、
写真をたくさん撮ってみたり
映画をたくさん観てみたりするとわたしの世界は広がった。





それでも今のわたしの全ては
今まで読みためた本の知識と感情と表現の蓄積だ。













それからほんのすこし時間が過ぎて同じ道を歩いた。

そのことに心がすごく動いた。


そして同じ場所で長く過ごした。





それなのに、
わたしは今違う道を歩いている。














今もあの頃と同じかそれ以上に
希望や理想がある。


あの頃なかった現実を見なければいけないという現実もある。






今のわたしの中にも昔のわたしがいて、
ときどきあの頃を思い出しては
また頑張ろうと思い直す。












同じ道を歩いて心が動くような道は
今はもうわたしにはなくなった。


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