たいせつにする

すこしずつすぎていっていた時間が
最近はあっという間にかんじる。

いらないと思っていた時間を
今はたいせつにおもう。

そうおもうのは確実にわたしの手から
離れていっているからだとわかっているのに
今の時間をたいせつに手の中に包み込む。

人生は一度きりだから
やりたいことをやろう、やるべきだ、とよく聞く。

わたしもそうおもうし、きっとそうすべきだ。

だからたくさんの選択肢がある中で
自分にとって最善の選択をしたいとずっと思ってる。

誰だってきっとそう。

けれど、人には心がある。

心は動くものだ。

人は最善の選択をするために
ときどき必要のないものを選んでしまうことがある。

人生は一度きりだから
やりたいことをやろう、やるべきだ。

けれど、ときには
冷静な選択がたいせつになる。

心が大きく動くときは
わたしは近い未来のことをかんがえる。

そうやって心が大きく動くのを抑えて
わたしは最善の選択を選ぶ方法をかんがえる。

今はたいせつだけれど、
未来をたいせつにするための選択をする。

そうしてわたしは大人になっていく。

生ぬるい風の隙間からやってきていた冷たい風は
どんどん割合が増えてきて、

秋がやってきた。

わたしは自分をたいせつにするために
やりたいことをたいせつにする。