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こぼれおちたもの


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ここ3ヶ月毎日仕事が忙しくて
期限が迫っている仕事たちが
手からこぼれおちないように
必死ですくい上げながら、
ひたすらに書類を処理するマシンになる。






やっと無事にすくい上げた仕事を完結させて
夕方になって次の日の書類を確認すると
また次の日に必死になって
すくい上げなければならない仕事たちが
分厚い束になって集められていてうんざりする。







わたしが1年間やってきたことは
ひたすらに数字をうちこみ
faxを送りメールを送るようなことだった。





わたしが打った数字は今どこにいて
わたしが送ったfaxとメールはどこにあるのかな。




わたしがやってきたことは
クリックひとつで消えることや
シュレッダーにかけられて消えてしまうことばかりだ。




そして、それらは誰かの役に立つものではなくて
誰かが楽をするために
わたしがその負担を全部背負っただけだった。






そしてその合間に時折、
お客さんに怒鳴られながらセクハラをされながら
心をすり減らすことがわたしの仕事だった。
















こんなに必死にやっているけれど
たとえばわたしの手からこぼれおちたとしたら
こぼれおちたものはどこにいくのだろうと考える。





こぼれおちたものたちはいろんな人が気付いて
わたしの後からひとつひとつ拾って
わたしの手に持ってきてくれる。




こぼれおちたものたちは、
全てすくい上げなくてはならないから
結局またわたしの手に戻ってくる。








すくい上げて完結させた書類も
きれいにまとめてもらうために
ずっと順番を待っている。

















そんな毎日もやっとおわりが見えてきた。



次はたとえば人のために
なにか残ることをしよう。


クリックひとつで消えたり
シュレッダーにかけられて消えるような
そんなことではなく
すこしでも誰かの中に残ることが出来たら
すごくしあわせだと思う。


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